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12月15日のまにら新聞から

新聞論調

[ 679字|2008.12.15|社会 (society)|新聞論調 ]

適格者任命を−行政監察院長問題

 アロヨ大統領の夫ホセミゲル氏の法科大学院の同級生、メルセディタス・グチェレス女史は二〇〇五年に行政監察院長に就任した。抜擢理由は無論、アロヨ夫妻の利益保護。着任以来、忠実に任務を遂行中だ。

 アロヨ夫妻に極めて近い人物が公職者訴追機関を率いることに、当初から疑念が生じた。本紙は疑わしきは罰せずとのスタンスを取った。着任から三年。本紙の主張もまだ誤りと決まってはいない。

 反汚職市民連合(CAC)によると、現在の行政監察院は大物政治家絡みの事件には消極的な捜査が目立つ。元司法長官の恐喝事件、農務省予算流用疑惑、セブ州の街灯設置費水増し疑惑などはすべて手続き上の理由で、不起訴処分となった。

 グチェレス院長を「起訴」相当とする厳しい批判もあるが、辞任要求まで踏み込まない。同院長がいつの日か目覚めて、汚職まみれの政府から国民を守る日を期待する。

 「行政監察院長の職責を背負うか、汚職のまん延を見逃し続けるのか」。CACはこう問うが、馬鹿げた質問だ。焦点は次期行政監察院長に合わすべきだ。院長の任期は来年十二月で満了する。大統領が任期七年の次期院長に誰を任命するか。CACは注視する必要がある。実際に事例がある。ラモス元大統領は退任三年前の一九九五年、アニアノ・デリエルト氏を任命。同氏は任期中の七年間、ラモス氏絡みの汚職疑惑には手を付けなかった。

 警戒すべきは、グチェレス院長の再任。再任は違憲だが、同院長が前院長の任期途中で就任したことから、大統領府は厳密には合憲と主張するだろう。

 神に祈りを捧げるしかないのか。(11日・マラヤ)

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