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3月24日のまにら新聞から

政治的試練は続く

[ 685字|2008.3.24|社会 (society)|新聞論調 ]

アロヨ政権の今後

 カトリック教徒にとり最も神聖な復活祭も、現実の政治的動きから切り離すことはできず、政治的思惑が入り込んでくる。カトリック司教らの間でまとまりが欠けているのが主な理由である。カトリック司教協議会内で史上初めて公共の問題に関して意見が真っ向から対立した。例えば、パビリオ・マニラ副司教がロサダ前森林公社総裁による上院聴聞会での証言が実現するよう支援したのに対し、ヌエバ・カセレス教区のレガスピ大司教はロサダ氏の南カマリネス州における講演を地元の司祭が準備することを禁止した。

 同協議会自体が現在、内部に緊張を抱えている。特にマニラ首都圏と地方における教会指導者らの間で対照的な対応が目立つ。マニラ首都圏の司教十六人がこのほど発表した声明は、これまでの社会改革を求めるという姿勢とは違う教義的なメッセージを盛り込み、信者たちに混乱を引き起こした。

 聖週間中でも食品価格が高騰し、最近の一週間でコメの供給不足が顕著になったため、政治的意識が国民の間に広がった。ヤップ農務長官が、コメの供給体制は適正だと説明したが、アロヨ政権の合法性が危機を迎えている中、長官声明は国民の不信感を強めただけだ。

 この不信感は石油燃料価格の高騰によってさらに増幅している。ペソが高くなり、また企業活動の不振も強まっている中、汚職や公金の略奪が深刻化し、アロヨ政権への信用自体が揺れている。

 大統領顧問の一人は聖週間を経て、学校が夏期休暇に入れば政治的試練もとうげを越えると期待しているようだが、上院聴聞会が再開し新証人が現れれば、状況は一変するだろう。(20日・インクワイアラー)

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