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12月17日のまにら新聞から

安価な薬品を庶民に

[ 739字|2007.12.17|社会 (society)|新聞論調 ]

薬品価格引き下げ法案

 大多数の国民は、はたして本当に適切な医療を利用できるようになるのだろうか。薬品価格を引き下げるためとして国会議員たちが行っている現在の活動を見る限り、国民の利益とは反対のことを目指しているようだ。もし、審議中の下院決議第二八四四号がこのまま国会を通過することになれば、より多くの国民に安価な薬品を届けるという当初の公約が骨抜きにされてしまうだろう。

 アロヨ政権によってデベネシア下院議長から議長職を奪うために下院に送り込まれたセブ州選出のパブロ・ガルシア議員はこれまで、より安価な薬品を提供するための法案の審議を遅らせるためにさまざまな手段を講じているようにみえる。大統領府は十四日にも下院に対し同法案に関する審議で何が起きているのか説明するよう求めた。また、製薬企業からのロビー活動資金が大量に流れ込み、国民が待ちに待った同法案が抹殺されようとしているのだ。

 現在、政府の保健行政部門の職員たちが最善の努力をしているにもかかわらず、国民の適切な医療を受ける機会がますます奪われている。下痢などごく普通の症状に用いる薬ですら高価なものになりつつある。糖尿病や高血圧など長期の治療が必要な病気の場合は、医療機関ではなく、地域の薬草治療や民間治療師にかかるケースが増えている。心臓疾患や悪性腫瘍(しゅよう)などになると、死を待つよりほかに方策がないという始末なのだ。

 フィリピンでの薬価が他の近隣諸国に比べてより高いことに疑問の声が上がっている。同じ製薬企業が作っている薬であっても、国によって値段が違っているのはどうしてなのか。薬価引き下げ法案が議員たちの抵抗を受けたままだと、「国民に安価な薬品を」という当初の崇高な目的が消えてしまうことになる。(15日・スター)

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