正しい人選を
中央選管委員任命
私たちは中央選挙管理委員会に政治家を任命するとひどい結果になることを体験した。元マンダルーヨン市長を務め、与党ラカス党の重鎮だったベンジャミン・アバロス氏が党利党略から無縁であるべき中央選管委員長に任命された時、識者は危険性について指摘していた。しかし、大統領府はその指摘を無視したのであった。
このアバロス委員長の指揮下、国民は中央選管をめぐる三つの大きなスキャンダルに見舞われることとなった。最高裁によって契約破棄された総額十二億ペソの投票集計電算化事業契約、二〇〇四年の大統領選においてアロヨ大統領が選挙不正を中央選管委員の一人に指示したとされる「ハロー・ガルシ」携帯電話盗聴問題、そしてアバロス委員長を辞任に追い込んだ中国企業ZTE社とのブロードバンド網構築事業の不正受注疑惑の三つである。集計の電算化事業はまだ始まってもおらず、選挙改革や不正対策は一向に進んでいない。
中央選管は本格的な構造改革が必要であり、委員長など幹部の正しい人選こそが改革への道を切り開くきっかけとなるだろう。アバロス氏が空けた委員長職だけでなく、来年二月にボラ現委員長代行ともう一人の委員が退職を迎える。次の選挙まですでに三年を切っており、中央選管の四人の幹部選任は速やかに実施するべきだ。
ボラ委員長代行は委員長候補の七人の名前をすでに挙げている。うち二人は失脚したエストラダ前大統領の陣営の息がかかった人物である。同代行はさらに多くの候補者が出てくると言明しているが、任命権は大統領にある。現政権はこれまで党利党略や利己的な利害関係にだけ基づいて中央選管幹部を任命してきた。国全体の利益のために人選を行うよう常に働き掛けなければならない。(1日・スター)