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11月5日のまにら新聞から

汚職程度ましか

[ 717字|2007.11.5|社会 (society)|新聞論調 ]

比米汚職問題の比較

 海外を旅すると自分の国を今までと違った、より広い視野で考え直すことができる。新しい社会と故郷とを常に比較する傾向が生まれ、自分自身を見直すきっかけとなるのだ。フィリピンと米国の環境を比較した場合、私たちが考えているほど、母国フィリピンは決して悪いものではないと思えてくるかもしれない。米国は建国から二百年ほど経過したにもかかわらずいまだに民主主義国家として四苦八苦しており、それより若い私たちの国が苦労するのは当然だろう。

 汚職を見てみよう。最近のフィリピンの例として中国企業が入札を経ずに受注した国家ブロードバンド網事業やサイバー教育事業、そして大統領の夫に近い国内財閥による公務員保険機構の電子カード事業受注問題がある。一方、米国には二〇〇一年に発覚したチェイニー副大統領が最高経営責任者を務めていたハリバートン社やその子会社に対して米政府が発注した一連の国防関連事業に関する事業費水増し疑惑などがある。

 比国家ブロードバンド事業の受注をめぐっては事業費が一億三千万ドルから三億二千九百万ドルに約二・五倍水増し請求されたと報道されているが、米ハリバートン社とその子会社に対する事業発注では正規事業費が十六倍から二十六倍に水増しされたという。米国のある告発者は「十一倍の水増しは常識で、六倍は日常的、倍以下というのは見たことがない」と述べている。

 汚職告発者に対する非難はどちらも強いものがある。比公務員保険機構カード事業の不正を告発した会計監査局幹部や機構職員には解雇や左遷が待っていた。ハリバートン社の不正告発者の中には降格されたり、解雇、尋問を受けた者もいるのだ。(3日・インクワイアラー、ソリタ・モンソッド氏)

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