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2月19日のまにら新聞から

権力の責任を知れ

[ 686字|2007.2.19|社会 (society)|新聞論調 ]

エンリレ議員への忠告

 政治的殺人事件調査のため来比中の国連人権委員会特別報告者、アルストン氏はエンリレ上院議員(上院人権委員長)と会談し、険しい言葉を浴びせられた。上院人権委がなぜ調査しないのかと迫る同氏に同議員が逆上したのだろう。同議員はアルストン氏に、「自分の国で反乱勢力を扱った経験がないのなら、私たちに講義などしないでほしい」と言ったということだ。同議員はこの種の調査には政治的意味合いが強いと考えているようだ。だが、そうで

はない。一行の目的は事情聴取であって、政府機関への協力を拒否する遺族が積極的に協力するのは、一行の真の独立性を認めているからだ。

 国内の人権問題に外国人が介入すべきでないとする同議員の立場はミャンマー軍事政権に近い。一連の政治的殺害事件が国家警察調べでも百件を超えている。もし政府が適切に対応していれば、国連が動く必要などなかったのである。だがアロヨ大統領は活動家殺害の黒幕とされた退役将官のような人物を公然と称賛し、国際社会の注目を招いたのだ。

 この問題に共産主義者系反政府闘争の文脈を持ち出すのは賛成できない。一連の事件の裏には、二十年続く和平交渉に相反する書かれざる国策が見え隠れする。事件の被害者は比人なのだ。エンリレ議員は「国が(反乱で沈没する」と言うが、「国家の沈没」とは

殺害が制御不能となり、法の支配の喪失を意味する。

 エンリレ議員は米軍基地の存続に賛成投票し、世界銀行や国際通貨基金が牛耳った独裁政権下で権力を掌握した一人だ。エンリレ議員に必要なのは、権力にとっての責任とは何かという講義ではないだろうか。(18日・インクワイアラー)

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