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4月10日のまにら新聞から

混乱の解決策を学べ

[ 682字|2006.4.10|社会 (society)|新聞論調 ]

タイ首相辞任表明

 タイの国民を結束させ政治を安定させるため、タクシン首相がこのほど辞任を表明した。少なくとも政治システムにおいてタイの政治はフィリピンより複雑で、干渉することはまれだが、政治的な決定力を持つ国王がいる。だが、比とタイの二国の政治システムは異なるにしても、タクシン政権とアロヨ政権における国内の不和と政局混乱の問題は根本的には同じだ。

 タクシン首相は一族の通信会社株売却をめぐる脱税スキャンダルに加えて、度を越した権威主義がやり玉に挙げられた。アロヨ大統領も汚職疑惑によって自身や家族、政権が揺るがされ、大半の国民から憲法を重んじない新たな独裁者とみなされている。 

 タクシン首相が辞任表明したことで、タイは国の分断と政治混乱が収拾に向かい、国家は前進し始める。首相の辞任は問題に対する即効の解決策となる。また、評価すべきことは比とは異なり、首相の退陣要求集会が治安当局によって阻止されなかったことだ。

 アロヨ大統領は自分が国民に必要とされていないことを知っている。それゆえ、辞任要求の動きの拡大を恐れ、辞任に追い込まれないため集会規制方針を打ち出したのだ。だが、いつまで不満と怒りを持つ国民を回避できるのか。政局を安定させ、国の統一を先導できると本当に考えているのか。

 民間の調査によると、国民は大統領辞任を望んでおり、辞任を表明しないのならピープルパワー(大規模民衆運動)によって退陣させたいと考えている。タクシン首相と異なり、アロヨ大統領にとって勇退はないのだろう。近いうちに、法規的もしくは超法規的に大統領の座を奪われるだろう。(6日・トリビューン)

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