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2月20日のまにら新聞から

生かされなかった教訓

[ 661字|2006.2.20|社会 (society)|新聞論調 ]

南レイテ州の地滑り災害

大規模地滑り災害に見舞われた南レイテ州セントベルナルド町ギンサオゴン・バランガイ(最小行政区)の住民は災害の発生を予期していた。二週間前から夜間に自宅を離れて安全な場所で眠り、朝になって帰宅する生活を続けていた。

 災害の発生した十七日。住民らはまず、かすかな振動を感じた。続いて爆発音のようなごう音とゴロゴロという不気味な音が響いたが、この時すでに住民に避難するための時間は残されておらず、約二千人が行方不明となった。

 今回の災害は違法伐採や鉱山開発とは直接関係がないようだ。しかし、レイテ島が熱帯雨林の大部分と天然水系を失って久しく、環境天然資源省は同島一帯を「環境危険ゾーン」に指定していた。もし、森林を再生する努力が続いていたならば、地滑り災害は防止できたかも知れない。

 レイテ島の各州政府も一九九一年十一月にレイテ州オルモック市で起きた鉄砲水災害を教訓にすべきだった。同災害では違法伐採による森林の保水力低下がやり玉に挙がっていたのだ。

 今回の被災地セントベルナルド町も災害とは決して無縁ではなかった。二〇〇三年十二月、同町で地滑り災害が発生し、約二百人が死亡、百人以上が行方不明になった。また、一週間ほど前には同町近隣のソゴド町で土砂崩れがあり、七人が死亡した。

 比では現在も森林が減少し続け、状況は危機的だ。今回の大規模災害を教訓に、違法伐採取り締まりと全国的植林を計画的に進めなければならない。自然の投げ掛ける警告を再度軽んじた場合、われわれは今後も大災害に見舞われ続けるだろう。(18日・スター)

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