民主制度を強化せよ
ASEAN憲章起草
東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議は、ASEANの憲法となる「ASEAN憲章」の起草で合意した。アロヨ大統領は、比が次回の首脳会議開催国となる来年十二月までに同憲章の起草を終え、次回会議での憲章の採択に期待を示した。
自由と民主主義の促進をうたい、人権や良き統治、公的機関における透明性などが盛り込まれる域内で初めてのこの憲章が、どれだけ加盟国に対して法的拘束力を持つことになるのかは知らない。
だが、もし憲章が従わない国に対し制裁を伴う拘束力の強いものとなるならば、危ないのは民主化問題を抱えるミャンマーだけではない。汚職をはびこらせ、選挙システムに代表される民主主義の制度を強化できずにいるフィリピンも、その付けを払うことになる。
大統領の選挙不正疑惑の核心を握るガルシリアノ前中央選管委員、農業省予算を大統領選挙不正への流用疑惑に関与したとされるボランテ元農務次官やロレンソ元農務長官、誰一人として自分の犯した罪を認めようとしない。
国会に喚問されて不正に関する尋問を受けた政府高官は、証言を拒否して国会に身柄拘束を警告されると発作に襲われ、心臓のバイパス手術のために病院に運ばれた。逮捕状が取り消されると奇跡的に健康が回復したというから開いた口がふさがらない。
現政権は、「強い共和国」構築に不可欠な民主制度をあざけったことで歴史に名を残すだろう。しかし、「前大統領追放」などの非常手段を合法としてしまい、民主制度を脅かしているわれわれ自身もその責を部分的にせよ負うべきだ。(14日・スター、アナ・マリー・パミントゥアン氏)