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11月7日のまにら新聞から

比米関係の試練

[ 656字|2005.11.7|社会 (society)|新聞論調 ]

米兵レイプ事件で

 比米合同軍事演習に参加した米海兵隊員五人がスービック湾域自由港・経済区内で比人女性をレイプしたとの疑惑が浮上している。両国政府が今後、健全な関係維持を望むのならば、法の裁きによる公正な解決が不可欠だ。

 言うまでもなく、有罪となるまで五人は無実であるが、裁判権をどちらの国が持つかが問題の焦点となる。両国でもレイプは重罪であり、比では集団レイプは最重罪で最高刑は死刑となる。「訪問米軍の地位に関する協定」(VFA)に精通した上院議員は、五人の容疑は米国の安全保障を脅かすものではないため、演習開催地である比が裁判権を行使できると主張する。在比米大使館は三日、五人を保護下に置き、比当局の捜査協力のため五人の身柄を引き渡す約束をした。

 米兵による「悪事」は十年前、スービックの米軍基地撤退を加速させる原動力だった。悪習の繰り返しで、刑事事件の裁判権をどちらが掌握するかはVFA締結交渉の場でも浮上した。今回の事件は反VFA議論を再燃させることとなった。

 比米合同演習の本格再開によって再度、比に戻ってきて以降、米軍は優等生そのものだった。バシラン州でアブサヤフ掃討に参加したほか、米軍は貧困地域での道路、滑走路などインフラ整備を支援。医療分野などにも支援を継続してきた。

 女性の訴えが本当であるならば、米兵五人は合同演習参加部隊が構築した信頼を台無しにしてしまったことになる。そして、両国が関係強化を望むなら、罪人は処罰され、正義に道を譲るのが当然ではないか。もちろん、裁判権は比側にある。(5日・スター)

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