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8月29日のまにら新聞から

事態改善は急務

[ 672字|2005.8.29|社会 (society)|新聞論調 ]

未成年受刑者問題

 刑務所がすし詰め状態であるのはわが国に特有ではなく、他の途上国や先進国の一部でも見られる。CNNテレビが最近報じた比の刑務所の実態よりはるかにひどい国は途上国の中にたくさんある。だが、多くの国では刑務所の実態をメディアに公開することを許可しないだろう。比は未成年が成人用の監房に収監されている現状を世界中に披露した。

 比の現状だけが取り上げられ、国際的な非難の目にさらされたことに不公平さを感じても、実際に存在する問題に国は目を背けてはいけない。少年は拘置施設の不足から、さまざまなところで成人の受刑者と一緒に収監されている。常習の凶悪犯と監房で過ごす結果、子どもたちはさらに深く犯罪に関与していく危険性がある。

 社会が犯罪者を投獄するのは、教訓を与え、犯罪には報いがないというメッセージを伝えるだけでなく、犯罪者を更正させ責任ある市民として社会に復帰させるためである。適切な施設に収監し損ねている国の失敗で、更正という課題は妨げられている。成人の受刑者の誘いがあればマリフアナ使用者はさらに強い薬物に手を付け、素人のスリは強盗団に勧誘される。また、小児愛者から性的嫌がらせを受ける危険性もある。

 予算不足にさいなまれる政府がこの問題に立ち向かうのは簡単ではない。少年院や女性の更正施設を新たに建設する予算もない。

 しかし、たとえ財政難でも少年受刑者の拘置状況を改善することはできる。政府は外国の報道機関による警告を座して待つべきではない。少年受刑者に希望はあるが、常習犯と閉じ込められては更正も困難となってしまう。(27日・スター)

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