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8月29日のまにら新聞から

勝手な要求と交渉

[ 685字|2005.8.29|社会 (society)|新聞論調 ]

前大統領との和解

 「和解」はアロヨ政権の今月の言葉だ。アロヨ大統領がエストラダ前大統領に求めている和解は、国家の統一のためということである。だが、実際にはどのようなものなのか明確に示されていない。要するに前大統領は別荘拘置を解いてほしいのだ。

 アロヨ上院議員は法律をまず改正しないと、前大統領の釈放は不可能であると指摘している。また、有罪判決を受けない限り、恩赦はできない。

 なぜ一人の人間の利益のために法を改正しなければならないのか。もし、「和解」の名の下、前大統領が釈放されれば、それは大統領が公務員特別裁判所の決定に干渉することを意味する。三権分立を保証する憲法への違反行為だ。

 大統領が前大統領と和解したい気持ちは理解できる。政治生命の危機に陥り、「敵はできるだけ少なく、味方をできるだけ多く」は当然だ。カトリック系宗教団体「エルシャダイ」の教祖の誕生日集会に参加した何万もの大衆を沸かせた前大統領を「中立化」させる必要があるのだ。

 経済が破たんの瀬戸際まで迫った今、われわれは「和解と国家の統一」との提唱に賛成する。だが、和解は理にかなっていなければならない。法の改正や憲法違反、政府機関による干渉は必要としない。

 大統領が最大の政敵である前大統領に気に入られるためなら、何でもしようとしているのは見え見えだ。大統領は既にこれまで前大統領の要求のほぼすべてに応じてきた。だが、前大統領が略奪罪で裁かれている間は拘置生活を続けさせなければならない。前大統領とアロヨ政権の間の和解交渉は今後も続くだろうが、理にかなった姿勢を貫かねばならない。(23日・インクワイアラー)

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