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5月2日のまにら新聞から

消失した安全な場所

[ 692字|2005.5.2|社会 (society)|新聞論調 ]

相次ぐ著名人殺害

 人々が路上やレストランなど公衆の面前や自宅で殺害されることは許されないことだ。しかし、これ以上に許し難いのは警察幹部がこれを問題視していないことだ。

 四月十三日、ラノト前下院議員がパシッグ市のレストランで射殺、同二十四日早朝、ラモス外務省次官補がマカティ市の自宅で絞殺、二十五日にはエチェベリ医師がマンダルーヨン市で通勤途上射殺された。メディアに大きく取り上げられたこれらの犯罪は、非常に大胆で、警察を見下している。しかし、警察幹部の一部は明らかに著名な人物の殺害に対しても無感覚になっている。

 立て続けに担当管区で起きた犯罪に対しラソン首都圏警察総監は、「警察の任務は犯罪を予防し、捜査し、解決することであり、我々は事件を起こしていない」と発言した。

 警察官の犯罪への関与はこの国では当たり前になっている。ラソン総監の発言は正しいのだろうが、警察は本当に誇るべき成果を上げているのだろうか。三件の殺人事件の発生防止には明らかに失敗しており、事件が解決する保証はない。多くのジャーナリストや左派系活動家の殺害事件が未解決なのと同様に。

 今年の第一・四半期の犯罪発生件数は前年同期比で一千人減少。これを受け、同総監は「首都圏は安全な場所だ」と宣言した。市民らは警察の捜査力に期待していない。警察幹部は今まで通り自信を持って任務に励むがいい。非現実的な犯罪率データと、著名な人物が次々と殺害されている現実を比べた時、どちらが人の心を動かすかは一目瞭然だ。もはや市民は町中のどこにも安全な場所など見いだせない。警察が安全について無頓着すぎるからだ。  (28日・インクワイアラー)

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