値下げはいつ?
石油製品価格高止まり
世界の原油価格が上昇する際、国内の石油製品価格は驚くべき早さでこれに追随する。しかし、原油価格が下落する際は、石油元売り各社はいつもできるだけ長く価格を据え置こうとする。もし各社がこのような行動を続けるならば、石油産業の規制緩和見直しを求める勢力に格好の理由を与えることになる。
原油価格は過去数カ月で急騰した。産油国の政治不安やテロの脅威が主な原因で、これに冬季を目前にした需要の高まりも相まって、さらに値上がりするのではないかと懸念された。だが、思惑買いが収まって原油価格は今や著しく下落し、石油輸出国機構(OPEC)は一月から一日当たり百万バレル減産に踏み切る予定だ。
減産発表を受けても下落傾向に変化はなく、この月曜日にはフィリピンが指標とする中東産ドバイ価格が前週末金曜日から八一セント減の一バレル三二・六七ドルとなった。月間の平均価格も前月の同三四・八七ドルから同三三・三五ドルに下がった。無鉛ガソリンの平均価格も大幅に値下がりしている。
このような状況の中、元売り各社は一体、何を待っているというのだろうか。どんどんと値上がりする石油製品価格のおかげでインフレ率が上昇し、公共交通機関が軽油価格の割引を求めて世論に訴えている事態となっているのに、ここ数週間で値段が大きく下がったのは液化石油ガス(LPG)だけ。
エネルギー省は原油市場での値下がりだけでなく、幸福を分かち合うクリスマスの精神も持ち出して価格を下げるよう求めているが、各社は聞く耳を持たない。まるで重力の法則が通用しないかのように。(17日・スター)