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5月10日のまにら新聞から

ポー氏取材再開せよ

[ 698字|2004.5.10|社会 (society)|新聞論調 ]

記者ボイコット事件

 ジャーナリストは戦争を取材するためには飛んでくる弾丸や砲弾、爆弾を物ともしない。洪水や噴火、地震、伝染病などが発生したときも同様だ。記事が理由で復讐を受け、社会的に排除されたり、拷問を受けて殺されることもある。

 ジャーナリズムというものが始まった当初から、これに携わる記者は身体の安全、心の平安、財産、倫理観に対する脅威に直面してきた。取材対象から圧力を受けることはジャーナリストという仕事の一部だ。

 従って、取材対象が粗暴で非協力的だからといって取材を回避すれば、その者はジャーナリストであることを放棄したとみなされる危険を冒している。わたしが言っているのは野党連合大統領候補のポー氏の取材をボイコットした記者たちのことだ。

 ポー氏がメディアにかみつき、侮辱し、怒らせたとの相次ぐ報道は、彼に国を指導するために必要な資質がないことを証明した。だが、彼の性向はかえってニュースを提供してくれる。さらに彼は大統領選の有力候補者でもある。これだけで彼を取材するのに十分な理由だ。より徹底した恒常的な取材が望まれる。

 実際、今回の大統領選の報道で、これまでカモフラージュされていたポー氏の性向がさらけ出された。国民はポー氏が大当たりした自身出演のヒット作から寄せ集めたスローガンしか言えないこと、評判の悪い伝統的政治家たちを取り巻きにしていること、そして大統領として国に貢献できる能力はほとんど持ち合わせていないことを知った。これらの報道はまさに国民がジャーナリストに期待していたものだ。

 ボイコットは誤りだ。考え直してポー氏の取材に戻るよう助言したい。(6日・トゥデー、ダン・マリアノ氏)

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