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5月10日のまにら新聞から

射撃法知らぬ警官

[ 681字|2004.5.10|社会 (society)|新聞論調 ]

比警察の弱点

 本紙が調査したところ、首都圏警察北部本部の警官の十人に九人は銃を真っすぐ撃てないことが判明した。これは別に北部本部だけに限った話ではない。首都圏の他の本部や地方の警察も状況は同じである。そう、国内の警官の九〇%は銃の扱い方を知らない。

 しかし、あなたは警官を非難できるだろうか。彼らは射撃訓練のための弾薬を与えられていない。射撃が上手な警官は自腹を切って弾薬を買っているのだ。そういうわけで警察署内にある射撃場で練習しているのは民間人ばかり。

 警官が犯罪者との銃撃戦を避けたがる理由は、銃をうまく扱えないからだ。射撃とは、犯罪者の手を縛って至近距離から撃てる状況で行うものと思っているようだ。ラクソン上院議員が国家警察在任時、彼の部下が捕まえた犯罪組織のメンバーにしたことがその良い証拠。縛り上げてから一方的に撃って殺し、その後に銃撃戦であるかのように偽装した。

 二カ月前、わたしはケソン市クバオで麻薬中毒者の男性が警備員から銃を奪い、通りかかった女性二人を人質に取るのを目撃した。数人の警官が駆け付け、後ろから撃てるチャンスがあったのに撃たない。逆に男性は警官一人を射殺。その後に自分を撃ち抜き自殺した。

 警察担当の記者時代、わたしは銃の扱い方を知らずに警官が犯罪者に殺されるケースにしばしば出くわした。マニラ市サンタクルスでは、バッグのひったくり犯が警官二人を刺し殺した。銃を持っていた警官二人が、ナイフしか持っていなかったひったくり犯に殺されてしまった。こんなことが起きるのはフィリピンだけだろう。(4日・インクワイアラー、ラモン・トゥルフォ氏)

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