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5月3日のまにら新聞から

「現実的選択」の弊害

[ 701字|2004.5.3|社会 (society)|新聞論調 ]

支持候補くら替え

 大統領選挙のロコ候補が治療のために訪れていた米国から、「よきリーダー」不足が恒常化しているフィリピンに帰国した。半減してしまったとはいえ、支持者に健康回復のいい              ニュースをもたらすことを祈る。不在の約二週間、支持者は無事を祈り続けたが、一方では、ロコ支持票の取り込みを狙い、彼が「永遠に」帰ってこないことを望んでいるやからもいる。

 本当に必要なのはこのロコ候補やラクソン、ビリアヌエバ候補のように、有権者に今回の選挙の意義の核心を説明できる候補者なのである。当選する可能性の最も高いとされる「あの二人」のような候補者ではない。

 しかし実際にはびこっているのは「現実的選択」という代物だ。世論調査によると、最初は各自にとって理想的な候補者を選んでいた有権者が「現実的選択」を迫られて二人の候補者にくら替えしているのが読み取れる。自分の票が死票になるのを避けるためだ。理想の候補者がいないことを理由に日和見的選択をする有権者に対し、ロコ候補の存在は大切だ。

 ロコ候補が出馬する限り、支持者は彼への支持を続け、選挙の勝者への拒否を突き付けねばならない。これが投票のもう一つの重要な役割だ。ラクソン、ビリアヌエバ両候補の支持者も同じことだ。

 選挙結果は、六年間統治する勝者に正しい信号を送ることができる。日和見投票による選挙は、誤った情報が勝者にもたらされるだけだ。最悪の結果を避けて当選の可能性のある候補者へのくら替えは、公共の利益に反することになる。

 「まだ誰に投票するか決めていない」とする人が前例のないほど多いのも今回の選挙の特徴となっている。(28日・タイムズ)

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