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5月3日のまにら新聞から

安全を第一に

[ 698字|2004.5.3|社会 (society)|新聞論調 ]

イラク政策に望む

 アロヨ大統領はイラクへの平和維持・人道援助部隊として派遣されている国軍兵士・警官、医療関係者を撤退させず、イラク駐留続行を決めた。テロリストグループがイラク国内に駐留する米国の同盟国を標的にすると公言する中、フィリピン政府は米国を支持するという国際的立場をあらためて示した。その通り。国家にとって同盟国は必要で、テロリストの脅しに屈するべきでないのだ。

 一方で最大の問題として浮上しているのがイラク国内にいる比人の安全だ。今のところ、比の援助部隊は帰国を希望しておらず「ミンダナオよりまし」との声すらあるが、部隊は政府に対しイラク警官の訓練や支援事業を安全に遂行するための物資増強を要望している。

 政府は人道部隊以外にもイラクに滞在している数千人の比人の安全を確保する必要がある。多くの比人は復興事業が生み出す雇用と紛争地ゆえの高給につられて隣国から入り込んでいる。同盟国に優先配分される仕事を請け負う就労あっせん業者から派遣されてイラクに入る比人も多い。これらの労働者もすぐに帰国するつもりはないと述べている。

 しかし一方で違法就労あっせんの被害者になる例もある。このほど帰国した四十六人の比人はトルコのイスタンブールで就労する契約だったが、実際の仕事はイラク・モスルの軍隊駐屯地の調理場スタッフ。イラク入国にビザが不要なうちはこうした違法あっせんが増えると予測される。違法業者は厳しく取り締まり、入国者にはイラク就労に伴う危険について警告すべきだ。

 大統領はイラク政策で政治的リスクを背負うことになった。国をテロから守り、イラクの比人の安全を確保する必要がある。 (29日・スター)

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