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2月23日のまにら新聞から

任務を遂行する男

[ 692字|2004.2.23|社会 (society)|新聞論調 ]

中央選管の新委員

 アロヨ大統領が新たに任命した中央選管の委員二人は求められている任務を全うし、彼らに浴びせられる批判が正しいことを証明するのを急いでいるように見える。二人は初の公的行動として、五月の大統領選における大統領の当選を確実なものにする「任務」を遂行した。

 二人は任命から一週間も経たないうちに、同じく大統領が任命した別の選管委員とともに「ポー候補の失格処分が適当」とする意見書を最高裁に提出した。三人は「ポー候補は婚外子であり、母親の米国籍を受け継いだ」などの理由を挙げた。

 最も奇異なことは、最高裁に要請されていないのに新委員らが自主的に意見書を提出したことだ。最高裁は中央選管が先に認定したポー候補の比国籍と立候補資格について三人にコメントを求めただけだった。

 三人は中央選管にポー氏の候補失格処分を申し立てていた弁護士の内容に何も新たな主張を付け加えていない。率直に言えば、新委員が示したことは大統領府が満足することを進んでやるということだ。さらに悪いことには、「大統領府は大統領の当選のために忠実を尽くす委員を取り込んだ」という野党連合側の非難を確証するものとなった。新委員については、人事発表後から既にその高潔さ、能力、独立性が問題視されていた。野党のピメンテル上院議員は新委員の一人が「一九九五年の上院選で票の不正操作に関与した」と非難している。

 大統領府は、新委員を選んだ時に描いた悪意ある計画を否定することができる。だが新委員の行動を見れば、「政府は勝利を確実にするためなら手段を選ばないだろう」という国民の見方を確信させたにすぎない。

(18日・インクワイアラー)

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