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1月5日のまにら新聞から

政争より団結を

[ 695字|2004.1.5|社会 (society)|新聞論調 ]

新年のメッセージ

 選挙を迎え狂乱している政治家たちは政府運営や国会審議がまだ残っていることを忘れている。年は明けたが、問題は依然残っている。いくつかの政府機関では、閣僚が五月の選挙に立候補するため辞職し、新閣僚が任命された。国が政治に夢中になっている間、公共サービスは、ある分野ですでに低下しているが、今後さらに悪化する危険がある。

 二〇〇三年に起きた悪いニュースや新年の暗たんとした予測にもかかわらず、民間調査機関によると、国民の九〇%は〇四年に希望を抱いている。一昨年に行った調査でも九五%が希望を持って新年を迎えると答えていた。この楽観的思考は社会階層や地域を越えて共通している。

 昨年、比経済は成長したが、貧困に苦しむ大多数の国民の生活を変えるには十分とは言えない。この国はもっと雇用が必要で、輸出を振興し、投資を呼び込む必要がある。しかし、実際は、規律や職業倫理において優れる隣国に置き去られつつある。今年こそ一致団結し行動に移さないと我が国は競争力を失い、アジア地域で全ての隣国の後塵(こうじん)を拝することになるだろう。

 投資や雇用の他にも教育の改善は緊急課題だ。情報社会に適応するために教育レベルを上げる必要がある。一方、国際空港新ターミナルはまだ開所できずに朽ちかけている。早急な対策を欠くと、ごみや電力、上水供給の部門も危機を迎えよう。犯罪や汚職の頻発はこの国を依然どん底に落としめており、政治システムは中世のままである。

 それでも国民は希望を抱いている。政府はベストを尽くすべきで、国民もこの国を良くするために貢献すべきだ。みんなが喜ばしい新年を迎えることを!(1日・スター)

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