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12月22日のまにら新聞から

誰が対象となるのか

[ 683字|2003.12.22|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領の恩赦計画

 アロヨ大統領は気をつけないと、安っぽい政治的策略を取っていると集中砲火を浴びることになるだろう。大統領は中東外遊でゲリラや政治犯への恩赦を検討していると明かした。イスラム教徒の分離独立派や共産ゲリラが対象とみられた。

 大統領は帰国後、「国家和解法案」による恩赦計画を発表した。対象は広がり、現政権と政治的に衝突した個人やグループさえ含まれるとされている。現在、拘置下にある現政権の敵対者が誰であるかは周知の通りだ。略奪罪で起訴されているエストラダ前大統領。七月にマカティ市で反乱を起こした国軍若手将校ら。もし、「国家的和解」がなされるなら、彼らが恩赦されるのは確実である。

 大統領は前大統領や反乱将校、それにマルコス一族とその取り巻きらが恩赦の対象となるかは国会次第としている。しかし、政府は有罪判決を受けて服役中の収監者のうち、誰を政治犯とするのか決める必要がある。そもそも政府はマルコス政権崩壊時にすべての政治犯は釈放され、現在、政治犯はいないという立場を取っているからだ。

 さらに忘れてはならないのが、恩赦というからには有罪となった者だけが対象であるということ。刑が確定していない前大統領や反乱将校、マルコス一族は当然除外される。

 大統領は「恩赦」の代わりとなる別の言葉を見つけようとするかもしれない。だが、大統領が胸に抱いている考えをはっきりと国民に伝え、それにより何が犠牲になるのかを明らかにしない限り、恩赦計画は実質を伴わない新たな政治的策略としか見られないだろう。そのような策略は毎回、大統領選が近づくたびに山ほど出てくる。(18日・スター)

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