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11月17日のまにら新聞から

不満は投票で示せ

[ 675字|2003.11.17|社会 (society)|新聞論調 ]

反政権デモに問う

 きのう複数の団体がマカティ市の商業地区の中心であるアヤラ通りでアロヨ大統領の辞任を要求するデモを行い、ビジネス活動が一時ストップした。これはダビデ最高裁長官に対する弾劾発議が出されて以来、最大の反政府活動だった。オークウッドでのクーデター未遂事件以後、マカティは反政府組織、中でも前政権支持派の集合場所となった。

 ピープルパワーの国ゆえ、表現や集会の自由に反対する者はいない。しかし、自由とは責任を伴うものである。商業地区の真ん中に陣取って、不正にまみれた政府だと現政権を糾弾する彼らの権利は、職場やショッピングモールに向かう数千人の国民の権利とバランスを保たなければならない。

 きのうの抗議集会参加者らは警官隊の導入によって即刻解散させられた。うわさによると、彼らはオークウッドの近くに野営する計画だったらしい。だが、警官隊は放水によって強制解散に踏み切った。この予想外の出来事によって計画は頓挫した。

 デモ参加者らがあっさりと安全な場所に移動したため、登場予定の政治家たちも、次の機会を狙って、こそこそと舞台から立ち去った。国だけでなく彼ら自身のためにもこのようなアジテーションはやめるべきである。統一選挙は半年後には行われるのだ。来月半ばまでには来年五月の大統領選の候補者も出そろうではないか。

 アロヨ大統領の対立候補ならば、少なくともごろつきを雇って大統領の追い落としを図るよりは選挙結果に自分の運命を懸けるであろう。現政権に反対する人たちは、その不満を表現するためにも、最も有効な武器である投票に向かうべきだ。(13日・スター) 

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