新聞論調
教会は干渉するな 人口抑制策の推進
カトリック教会は政府の人口抑制プログラムへ干渉すべきでない。カトリック司教協議会のケベド議長は「過激な」人口抑制策を押し進める政治家に対して、信者に不支持を呼び掛けるキャンペーンを行うことを示唆している。政府は急速に進む人口増を抑制しようと努力している。だが、教会は旧式でほとんど効果が上がらない避妊方法を勧めて、政府の努力を邪魔している。
二〇一〇年までには比の人口は現在の八千万人から一億人へ増加すると予測されている。どうやってこの小さな国で一億人もの人口を養っていけるというのだろうか。ダイナマイト漁や森林伐採などの環境破壊で枯渇する水産資源や森林資源の限りは見えている。現状でも失業者が多いというのに、どうやって国内産業が新たな労働人口の増加に対処できるというのだろうか。
しかし、教会は人口が一億人に達しようと二億人に達しようとまったく意に介することはない。路上で餓死、もしくは病死する者がいようと、貧困から犯罪に走る者がいようと、犯罪が絶えることがなかろうと、気にはしないのである。彼らにとって大事なことはさらに多くの信者を獲得できるということ、すなわち、大幅な収入増を得るということだ。
政府が教会の指示を受けている限り、わが国に発展は有り得ない。カトリック教会のおひざ元であるイタリアも数十年前は同様の状況だった。しかし、イタリア議会は教会の「呪縛」を振りほどき、離婚を認めて家族計画を推進する法律の制定に踏み切った。「神に属することは神に、カエサルに属することはカエサルに」とのキリストの教えをイタリア人は実行しただけだ。実に単純なことなのだが。(22日・インクワイアラー、ラモン・トゥルフォ氏)