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10月23日のまにら新聞から

「悪友」との絶縁を 

[ 593字|2000.10.23|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領辞任の危機

 エストラダ大統領は十四日、国営テレビに出演し、違法賭博(とばく)収益金が流れていたとされる疑惑に関して「国民を混乱させるような事態を招いて申し訳ない」と陳謝し、公営賭博を運営しているフィリピン娯楽ゲーム公社を民営化する方針を明らかにした。

 さらに、「賭博とそれへの政府の役割を変えられると考えていたのは間違いだった」と述べ、「私は友人の選択を誤った」とまで語った。

 この発表で大統領を哀れんだ国民も少なくないだろう。彼は肩の荷を少しは降ろしたに違いない。

 今こそ大統領は「悪友」と手を切るべき時だ。彼らが失脚の原因になったと言ってよいだろう。彼らに大統領の名前を語ることを許してはならないし、「友人」と見なすべきではない。彼らとの絶縁は早ければ早いほうが良い。

 政治生命を奪われそうなこの絶体絶命の危機を乗り切れたなら、より優れた大統領になれるだろう。死のふちから逃れられるようなものだろう。このような経験はいつでも、たとえ大統領であっても、より優れた人間に変えてくれるのだから。

 大統領はまたこの機会に自分自身と大統領就任後のこの二年間で大統領府で行ってきたことの何が悪かったのかを自問すべきだ。自分の弱さと誤りを問いただせば、より強く優秀な大統領になれるだろう。

 しかし、最も最初にすべきことは前述した通り、ひどいダメージを与えている数名の「悪友」との縁を切ることだ。

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