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4月3日のまにら新聞から

過ちを繰り返すのか       

[ 622字|2000.4.3|政治 (politics)|新聞論調 ]

大統領の対ゲリラ戦略

 かつて、マルコス政権が、イスラム最大勢力、モロ民族解放戦線(MNLF)の壊滅を意図して仕掛けた「全面戦争」という名の政略はすべて失敗に終わった。戦争はミンダナオの地を血に染め、町を廃虚にして行き詰まった。

 そして今、現政権は、かつて独裁者がとった破滅的な手法を盲目的に踏襲しようとしているように見える。

 マルコス政権は、エストラダ政権よりも強力な軍隊を投入したが、軍事力ではMNLFを壊滅できなかった。

 戦争により悪化したMNLFと政府の関係は、イスラム諸国会議機構(OIC)の仲介後に行われた和平交渉によって初めて解きほぐされた。にもかかわらず、エストラダ政権は、過去の「過ち」を繰り返そうとしているのか。

 権力者は時に、行き詰まった内政問題を打開するため「内戦」を使う。エストラダ大統領はフィリピン共産党の統一戦線組織、民族民主戦線(NDF)や汚職、貧困に対しても「全面戦争」を仕掛けると宣言していた。だが、勝利はまだ見えてこない。

 国軍士官学校の卒業式で同大統領は、卒業生に「平和と治安維持のためあらゆる脅威と戦ってほしい」と呼びかけたが、戦えば戦うほど若い軍人たちの血が流れることになる。

 軍人、そしてゲリラが流す血は、紛争をさらなる混迷へと追い込む。史実は、「全面戦争」が破たんした解決方法だということを示している。大統領に進言したい。今は、血を流すことより話し合いに力を注ぐ時期だ、と。(3月30日・インクワイアラー)

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