ハロハロ
比大統領戦が解禁され、米大統領の予備選挙と同時並行の形となった。特に過激発言を売り物に米共和党のトップを走るドナルド・トランプ氏が、序盤の焦点ニューハンプシャー州で勝ったニュースは、比メディアでも大きく取りあげられた。それを見ながら、かつてニューヨーク駐在の頃、一度だけトランプ氏と話をしたのを思い出した。クリントン元大統領が2期目に挑戦していた1996年のことである。
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当時、トランプ氏は不動産王として既に全米で知られる存在で、毎年のように誕生日にマンハッタン五番街に近いホテルで、盛大なパーティを開き、内外のメディアにも招待状が届く。冷やかし半分で出掛けてみた。パーティの主役は5歳になった男の子で、パパへのお祝いの弁が堂々としているのに驚いた。満場の喝采を浴びるなか、近くにいたトランプ氏に「アメリカの子どもはすごい」と、思わず声を掛けた。彼が、とにかく上機嫌だったのは覚えている。男の子はトランプ氏の2番目の妻で、女優のメラニア・メープルズさんとの間に授かった。
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あれから間もなく20年。自宅でケーブルテレビを見ていたら、トランプ氏をはじめ一家が審査員をつとめるショー番組の中に20歳台半ばとおぼしき若者がいるではないか。年格好からして、あの子に違いない。ただ名子役だった面影はなく、どこにでもいる普通の若者に見えた。(邦)