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1月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 609字|2016.1.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 好天に誘われて4日、浅草寺に初詣に出掛けた。昨年は人込みを嫌って8日に訪れたら、毎年買い求めている「厄除護符」が売り切れ。そのせいか、7月路上で脳貧血を起こして倒れ、秋には交通事故まで仕出かして惨たんたる一年だった。今年は幸先よく「護符」を入手。気をよくして参道裏の甘味処「梅園」で名物のあわぜんざいを食べ、古いエピソードを思い出した。

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 大学1年時のフランス語は艶笑話などで著名な田辺貞之助教授だった。仏語にはアクセント記号があり、その一つ、アクサンシルコンフレックスは初心者に覚えにくい。教授のいわく「浅草の汁粉屋」と覚えろと。語呂合わせだが、身近な、連想しやすい言葉をヒントに覚えたり思い出したりしろということだ。当方、間もなく80歳になるが、記憶を呼び起こすのに時間がかかる。旧年、素人画家の同期生と話したとき、好きな画家の名が思い出せず四苦八苦した。そこで恩師の知恵を活用、連想語を決めた。この画家の場合は「女の胸」。ブラジャーの連想からブラマンクの名がすぐ出てくる。この手法で人名などいち早くメモリーから取り出せる。

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 再び田辺教授。ある日教室で同記号名を質したら、UMEZONOと答えた奴がいたという。「浅草」にそんな「汁粉屋」があるのか。ぽっと出の田舎者は知らず。浅草へ繰り出して名物を味わい、ついでにフランス座でストリップを見たのだった。60年前の話だ。(紀)

ハロハロ