ハロハロ
自動車保険(任意)の更新書類を見て驚いた。保険料が過去3年間より約50%近く引き上げられていた。契約期間中に事故の経験もなく、間違いではないかと、損保会社に問い合わせると、昨年年齢別の料率が改定され、70歳以上が大幅に引き上げられたという。それにしても前年より一挙に50%アップはないだろうと嘆いてみたが、高齢者ドライバーの事故増加が改定要因と指摘されると、反論のすべもない。
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確かに高齢者の事故が増えている。警察庁によると、昨年の高齢者(65歳以上)の交通事故件数は、10年前に比べ1・17倍、75歳以上だと同1・59倍に増加した。高齢者以外の各年齢層が年々減少している中で、高齢者の発生件数だけは下がらない。先日もブレーキとアクセルを踏み間違え、乗用車がコンビニ店内に突っ込む事故が起きた。運転手は79歳の自営業者で、アルバイト店員1人が車の下敷きになって死亡した。
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保険料アップと突発事故の危機意識から、運転免許証の返上を考える羽目になった。2年前に決断した仲間からは「不便を覚悟していたが、案じたほどでもない」と返上を勧められた。重い買い物の運搬には苦労するが、店が提携している有料配達制度を利用する方策もある。ただ、車がないとスーパーや食事などの利用店が限られ、日ごろの行動範囲も一挙に狭まる。高齢者にとってマイカー卒業問題は悩ましい。(富)