ハロハロ
インドネシア東ジャワ州都のスラバヤ市を今月初め、約30年ぶりに訪れた。同市は首都ジャカルタに次ぐ同国第2の都市(人口約300万人)で、商業活動が盛んなことから、商都とも呼ばれる。とはいえ当時、高層の建物といえば、外資系ホテルくらいしかなく、開発が集中していたジャカルタとの差は大きく開いていた。しかし今、スラバヤには、中心部にとどまらず、高層のオフィスビル、ホテル、マンションなどが立ち並び、その外観を大きく変えている。
◇
スハルト大統領失脚(1998年5月)、その後の経済危機を何とか乗り切った同国は近年、政治の安定を確立したことで、日本や欧米諸国からの投資、企業進出が盛んとなっている。その中、スラバヤはジャワ島東部の拠点として開発が進んでいる。郊外には、大きな工業団地がいくつも造成され、諸外国の企業が多分野に進出。工業団地関係者によると、特にここ2年、日系企業の進出が目立ち、用地価格は約2倍に跳ね上がっているという。
◇
そのひとつ、スラバヤ市から東へ約50キロ、同州パスルアン県にある工業団地には、愛媛県に本社を持つ農機具会社が進出したほか、同県の不織布会社も団地内に用地を確保、工場建設準備を進めている。来年5月に総選挙、続いて大統領選を控えているが、インドネシアがこの「政治の季節」を無事乗り切り、政治の安定を一段と固められれば、高い経済成長が大いに期待できる。(道)