ハロハロ
「経済大国インドネシア」(中央公論社)と題する新書が、国内外のインドネシア好きそして同国への関心を高める企業人らの間で大きな話題になっている。著者は日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター次長の佐藤百合氏。1980年代初めからインドネシアの「今」を研究、同書では①大規模で若い人口②中間層の拡大③豊富な天然資源④政治安定︱︱を「経済大国」への要因に挙げている。
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インドネシアはここ数年、高く安定した経済成長が国際的に評価され、中小企業を含め日本からの対イ進出企業数もうなぎ上り状態。ジャカルタ近郊などで造成が進む工業団地は完成前にほぼ完売になるという。事実、同国での工場建設を計画している旧知の会社経営者も最近、「現地視察した建設候補区画に数日後、別の買い手がついてしまった」と、区画争奪戦の厳しさを語ってくれた。
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先月来日したインドネシアの友人も自国経済の好調さに自信を深めていた。ジャカルタで日系ローン会社に勤めるこの友人は、ローンを組んでより高級な新型オートバイを購入する層が拡大しているとし、「所得は確実に増えています。オートバイが乗用車に代わる日も近いですよ」と続けた。2億人超(世界4位)の人口を持つインドネシアの経済成長に熱い視線が注がれている。(道)