ハロハロ
ミャンマーをめぐる政治状況が目まぐるしく変化している。同国は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国中、民主政治とは最も距離を隔てる国とされてきた。ところが、今年3月に民政移管を実現させたテイン・セイン大統領は政治のかじを大きく切り、最大の政敵だった民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんとの対話、政治犯の釈放などを矢継ぎ早に実施。その結果、米英などが従来の対ミャンマー強硬政策を変更し始めている。
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ミャンマー現政権の「変身」は本物なのだろうか。1980〜90年代の民主化要求運動が当時の軍事政権から激しい武力弾圧を受け、学生らの間に多くの犠牲者が出た悲劇を知る者にとり、現政権の「変身」を百パーセント信じ切るのは難しい。2014年のASEAN議長国就任に同意を得たいがための方便か、とつい疑ってしまう。
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そこで思い出したのがシドニーに住むミャンマー人の友人。80年代に学生活動家だった彼は弾圧を逃れて隣国タイに潜入、その後、政治難民としてオーストラリアに定住。今もシドニーを拠点に祖国の民主化運動を続けている。軍事政権の非情な弾圧を身をもって知る彼が今回の「変身」をどう見ているのか。多くの質問を盛り込んだ電子メールを彼に送り、返事が届くのを待っている。(道)