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11月8日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 585字|2010.11.8|社会 (society)|ハロハロ ]

 東京墨田区に建設中の新電波塔、東京スカイツリーをテレビがはやし立てているので、近くまで行ってみた。武蔵の国にちなんで完成時の高さは634メートル。電波塔として世界一を目指すそうだが、確かにひときわ抜きん出ている。吾妻橋を渡り、並木伝いに枕橋方向へ行くと、ビルの間から柱状の塔が目前に迫ってきた。周辺はカメラを手にしたたくさんの見物客。

 隅田川のこっちは浅草だから、下町の盛り場にとって集客力抜群だ。スカイツリーとはうまいネーミング。高い塔がひたすら直線的に天空に伸びている。都内の高層ビル建築で電波障害が出るとして取って代わられる運命の東京タワー。建造は昭和33年で、当時、東京の新しいシンボルとなった。記念して「たそがれのテレビ塔」(フランク永井)というヒット曲まで出た。有楽町にそごうデパートが完成、「有楽町で逢いましょう」のメロディが街に流れた昭和の隆盛期である。

 関東大震災で壊滅的打撃を受け、浅草がすっかり勢いをなくしたのは歴史的事実。昭和に入って地下鉄が銀座まで開通すると、売り物の軽演劇も有楽町、日比谷に進出、浅草の灯は以後、かぼそい状態が続く。しかし、地元の熱心な活動や政府の外国人観光客誘致策が効を奏したか、近年、内外の観光客でにぎわっている。来年末のツリー竣工で記念の演歌でも出来ると、新名所として意気上がるのではないか。(紀)

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