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6月7日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 658字|2010.6.7|社会 (society)|ハロハロ ]

 「サワディー・クラップ」(こんばんは)︱︱。携帯電話の向こうから、タイ人の友人の懐かしい声が聞こえてきた。この友人と言葉を交わすのは、実に20年ぶり。すっかりさび付いてしまったタイ語をすぐに英語に切り替え、互いの近況を確認し合い、同時に話は混乱を極めていたタイ情勢に移った。この友人、K氏はバンコクの英字紙ネーションの「看板記者」。偶然にも、その彼がマニラに来ていることを知った。

◇ 

 昨年末、マカティ市で開かれた東南アジア情勢セミナーに出席していたあるタイ人報告者との雑談で、「K氏は体調を崩し入院中」と教えられた。症状が重く、既に何カ月もの入院生活が続いているという衝撃的な内容だった。K氏の健康状態が気になっていただけに、教えてもらった滞在ホテルに早速電話を入れてみた。呼び出し音が2度鳴った後、受話器が上げられ、先のタイ語が耳に入ってきた。

 すぐに健康状態を尋ねると、昨年末の情報通り、K氏は下半身がマヒする病気を患い、最近まで計7カ月間の入院生活を余儀なくされたという。こちらの心配に、「良くなった。もう大丈夫」との明るい声。K氏と知り合ったのはカンボジア和平会議が続いていた1989年のこと。ベトナム政府にめっぽう強い同氏が会議取材中に手招きしてくれ、当時のグエン・コ・タク越外相に引き合わせてくれたのを今も鮮明に記憶している。今回は会えなかったが、K氏の順調な回復ぶりを知り、胸をなで下ろした。 (道)

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