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3月15日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 602字|2010.3.15|社会 (society)|ハロハロ ]

 「桜、咲く」「桜、散る」︱︱携帯電話全盛の今の時代、これらふたつの表現は既に限りなく「死語」に近くなっているのかも知れない。携帯電話など影も形もなく、一般家庭への電話普及もそれほど進んでいなかったその昔、例えば、地方から上京してきた大学受験生が合否の結果を故郷の両親らにいち早く知らせる際、迅速な通信手段として使われたのが電報だった。電報に書かれた「桜、咲く」は見事に合格、「桜、散る」は無念にも不合格を表した。

 一時帰国中の2月下旬、

「合格」の朗報を相次いで耳にして、頭に浮かんできだのが上記の2表現だった。もちろん、合格連絡を電報で受け取ったわけではない。久しぶりに訪れた知人のインドネシア人夫妻宅での出来事。最初の朗報は、日本留学を希望する同夫妻の弟が、第一志望の東京工業大学大学院の試験に見事、合格。新学期から晴れて情報技術分野の勉強に励むという。

 その祝いの言葉が乾くか乾かないうちに、もう一つの朗報がもたらされた。同夫妻が親しくしているインドネシア人一家の長男が「合格」報告を同夫妻に届けに来た。やはり第一志望だった私立大の理工学部に「合格」。この長男は日本生まれの日本育ち。日本語に問題はなく、一般の受験生に混じって試験を受け、難関を突破したという。寒さが厳しい中、2人の「合格」報告が心を十分に温めてくれた。 (道)

ハロハロ