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6月22日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 626字|2009.6.22|社会 (society)|ハロハロ ]

 国政選挙が公正実施される国は、世界の中でも数は限られる。途上国などでは一国の絶大な権力を手に収めようと、買票や二重、三重投票、投票箱すり替えなどの不正行為が横行、政情不安の要因となる。最近ではイラン大統領選で敗北した改革派候補が結果を「不正」と反発、再選挙を求める同候補支持者に死者の出る大混乱が起きている。フィリピンでも二〇〇四年大統領選での集計疑惑が浮上した。だが、この黒い霧が晴れないまま、次期大統領選(一〇年五月)に向けた実施準備が進んでいる。

 そうした中、この国より一足早く、隣国インドネシアは今、公選制下では二回目となる大統領(任期五年、三選禁止)選挙キャンペーンの真っ最中。有権者は正副大統領候補三組から一組を選ぶ。東南アジア域内国で、有権者が政界トップ(大統領あるいは首相)を直接選べるのは比とインドネシアのみ。両国ともこの制度を民主政治実践の「証し」と胸を張るが、問題はその中身。

 ジャカルタの友人で、国会議員経験を持つ元政治記者は「地方では票を売ったり、縁故投票する有権者がまだ多い」と電子メールで嘆く。と同時に「大学生や都会の中間層の間では候補者の実績・公約・人柄重視の傾向が定着しつつある」との見方も伝えてくれた。友人の最新分析によると、選挙戦を断然有利に進めているのは、再選を目指すユドヨノ大統領とブディオノ副大統領候補のコンビ。七月八日の投票、手作業で即日開票され、結果は数日中に判明するという。(道)

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