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11月17日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 558字|2008.11.17|社会 (society)|ハロハロ ]

 東京・新宿にある老舗の歌声喫茶「ともしび」に仲間と出掛けた。喫茶といっても昔の店構えと違って酒も小料理も出す居酒屋風づくりの店だが、午後五時に開店すると、間もなくほぼ満席になった。客席を見ると中高年者が多く、中でも女性の常連客が目立つ。注文した酒や料理が配り終わると、司会者の指導で客のリクエスト曲を中心にピアノとアコーディオンの生オケ合唱が始まった。

 歌の進行は小休止を挟んで休みなく続く。客は約五百曲が掲載された歌集を購入し、酒を飲みながら大声を張り上げて合唱する。誕生日を迎えた客には店からワイン1本がプレゼントされ、「ハッピ、バースデー、ツーユー」を歌って祝福。大阪から単身赴任で働きに来ている客がいると、司会者が六〇年三池炭鉱争議時代に流行した労働歌「がんばろう」を選曲し、団塊世代の郷愁をかき立てる。

 最近では出前の歌声喫茶や日帰り歌声バスツアーも人気を呼んでいるという。全国各地の町おこし事業に呼ばれると、司会者や伴奏者が出掛け、にわかづくりの歌声集会を取り仕切る。人気の日帰りの歌声バスツアーでは車内で四十曲近い歌を合唱して盛り上げる。不景気風が吹く中、大会場を借り切って「千人の大同窓会」まで開催された。カラオケと一味違った「なつメロ」にひかれ常連客の一員になりそうだ。(富)

ハロハロ