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12月10日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 517字|2007.12.10|社会 (society)|ハロハロ ]

 例によって深夜、マカティ市内クリークサイドで空車を探していると、男が寄って来て「タクシーか」と聞く。走り出してから「P・ブルゴス通りまで百五十ペソだ、クリスマスだから」と言う。冗談じゃないと交渉して百ペソに。降りるとき、約束の百ペソに二十ペソ札を一枚足して「クリスマスだから」とやったら、運転手、大いに喜んだ。エディと名乗り、「深夜はあの辺りに待機しているからいつでも呼んでくれ」と。

 十一月にはもう、「メリークリスマス」の乱発である。意味はわかっているが困惑する。P・ブルゴスの常宿ホテルで、出入り口のガードマン連中が催促がましく言う。思案の末、五人一組でシフトを組む各チームの、一番親しく口を利いてくる男に五十ペソ札をチームの人数分手渡し、目前で配らせた。

 若いころパリで暮らした米作家、ヘミングウェーは、長編「日はまた昇る」の中で、チップを弾めばすぐ(レストランの)給仕とも仲良くなれるフランスを、気位の高いスペインに比べ断然住みやすいと、主人公に言わせている。「フランスでは金という明確な基準がある」と。似た一面がフィリピンにもある。だが、日本人にはわずらわしい。この時季、フィリピンは住みにくい。(紀)

ハロハロ