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11月12日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 506字|2007.11.12|社会 (society)|ハロハロ ]

 えっ、あの人が! 日本の新聞を見ていて目を疑った。中国の国営通信社・新華社の虞家復元外事局長夫妻が十月初旬、スパイの嫌疑で拘束されたという記事である。虞さんには昨年六月に中国を旅行した際、お世話になり、現代中国の開放性を象徴するような、聡明で率直なジャーナリストという印象だった。

 北京、古都・西安で三回も食事を共にした。日中関係の修復間近しという感触を与えてくれ、中国と東南アジア関係についても多くの示唆をもらった。米CIAや韓国の情報機関と頻繁に接触し、国家機密を漏らしたという容疑らしいが、そもそもジャーナリストは誰とでも会い、意見を交換するのが仕事だ。要は、情報を私利私欲で操作していたかどうかである。

 スパイがジャーナリストに化けることはよくある。特に冷戦時代の東側陣営はよくこの手を使った。新華社の香港支社がかつて中国政府の情報工作機関としての機能を持っていたこともよく知られている。しかし、虞さんは情報の扱いをよく心得ていて、政治臭や諜報専門家のいやらしさは全く感じなかった。それにしてもなぜ? 中国という国はまだまだ透明さに欠けるような気がする。 (水)

ハロハロ