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9月24日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 641字|2007.9.24|社会 (society)|ハロハロ ]

 「フィリピンから勇気をもらった」。日ごろ、この国にはほとんど関心を寄せないインドネシア人の友人が、エストラダ前大統領が不正蓄財で有罪判決を受けてから二日後、こんな書き出しのメールを送ってきた。友人は二十八年前、西ジャワ州の名門、バンドン工科大学で学生運動の先頭に立ち、当時のスハルト独裁体制に正面から戦いを挑み、投獄歴もある筋金入りの元闘士。現在は弁護士資格を取り、人権問題などに取り組む非政府組織の代表。

 この友人にとり、「仇敵」であるスハルト元大統領(86)が退陣後の今も、民主化運動弾圧の責任と巨額の不正蓄財を追及されていないのが、何とも口惜しく、ことあるごとに「スハルトとその一族は国家・国民から奪った金を返さねばならない」といった内容のメールを送ってくる。今回、そのメール内容のボルテージが一段と上がっていた。「比の裁判所が有罪と認定した前大統領の不正蓄財額は約七億三千万ペソ(約十七億五千二百万円)。スハルトの同額は低く見積もっても一兆五千億円を軽く超える。それを取り戻し、福祉や教育分野に振り分けたら、インドネシアはもっと良くなる」。

 友人の意気が揚がるにはもう一つの理由がある。インドネシア最高検がこのほど、元大統領を相手取って起こした民事訴訟で、不正蓄財したとする五百四十三億円の損害賠償を求めたからだ。「フィリピンが見せた勇気と英断を見習い、最高検はこの訴訟勝利に全力を挙げ、裁判所は公正な判断に徹してほしい」とメールは結ばれていた。(道)

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