ハロハロ
朝日新聞の夕刊紙面に日ごろのニュースを皮肉たっぷりに風刺する短文のコラム欄がある。書かれた文脈をめぐっていろいろ論争に発展するケースもあるようだが、先日こんなコラムが目に付いた。「むかし、万里の長城、ピラミッド、戦艦大和は世界の三大馬鹿」。「いま、番組捏造のテレビ、臨界事故隠蔽の電力、裏金温床温存のプロ野球は日本の三馬鹿業界」。言い得て妙で痛快だ。
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関西テレビの捏造番組は、外部調査委員会の報告書で十六回のコメント捏造や実験データの改ざんが指摘された。民放連から除名されたが、放送人として視聴者をだまし続け、放送法改正の動きを加速した罪は深い。電力業界の相次ぐ臨界事故の発覚にも驚いた。制御棒が点検作業ミスで勝手に抜け落ちた事故を会社ぐるみで隠蔽したとは恐れ入る。口ぐせの「原発の安全性」が泣く。
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フアンを度外視したプロ野球界の裏金汚濁にもあきれた。西武の外部調査委員会が高校野球部の監督に一千万円渡していた事実を指摘した。口利き料を要求する指導者がいたとすると、ノンプロ球界も立派な口はたたけない。衝撃的なドタバタ劇の中で今年の日米プロ野球公式戦が始まった。阪神の優勝を祈りたいが、十個の三振奪取でデビューした松坂の全試合を放送するNHK・BSも目が離せない。 (富)