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3月19日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 535字|2007.3.19|社会 (society)|ハロハロ ]

 外国人とふれ合う機会を持つようになって四十年。侵略戦争という国家の過ちについて日本人としてずっと謝罪させられてきた。戦争中は疎開し、空襲に逃げ惑い、飢餓にさらされた物心ついたばかりの子供であって、むしろ戦争の被害者のはずなのに。もう許してもらっていいじゃないかという気持ちが最近、とみに強くなっている。

 そうなのだが、安倍晋三首相の従軍慰安婦に関する発言には腹が立った。アジアに広がった戦線の先々に慰安所が設営されたことは事実なのだ。「ピー屋」と呼ばれて慰安婦に植民地出自の人が少なくなかったことに胸が痛む。たとえ拉致され、陵辱され、さらに「性の奴隷」にされた例が少なかったとしても、一件でもあったら人間を侮蔑した本源的な罪は消えない。戦後生まれの首相はとんだおしゃべりだ。

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 比で従軍慰安婦として最初にカミングアウトしたのは故マリア・ヘンソンさんだった。私の娘むこも両親も知らなかったが、ふとしたことで親族とわかって会食したそうだ。ヘンソンさんは「抗日ゲリラのために武器を運搬中に捕らわれてレイプされ、慰安婦にされた」と語ったという。むこの一族は出身州では当時、指折りの家柄で娘を売るような必要は全くなかった。全員がヘンソンさんを信じたそうである。(水)

ハロハロ