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10月16日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 550字|2006.10.16|社会 (society)|ハロハロ ]

 台風の首都圏直撃は十一年ぶりだそうだが、「ミレニオ」の暴威はすごいの何の。午前十一時ごろから嵐になったと思ったら、マカティ市のコンド十七階にある私の居室はいつの間にか水だらけ。雨水が吹き付けられて、窓枠の間から室内になだれ込んでいた。まさか地上数十メートルで床上浸水とは。汗だくですくっては捨てた水は洗濯たらいで十杯を超えた。

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 ケーブルテレビは停電前に消えて情報は皆無。救いの自家発電機が故障したとかでコンドは停電と断水。近くのコンビニに駆け付けたが、ろうそくはとっくに売り切れだった。エレベーターが止まってはもう住んでいられない。東京から来ていた家内と一緒にホテルに避難しようとしたらどこも満室。四軒目で「デラックススィートだけ空いている」といわれ、涙をのんで生涯最大の贅沢に踏み切った。ところが入室すると豪華客室の床も水だらけ。

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 比気象庁によると、突風の時速百四十キロ。瞬間風速はなぜか発表されなかったが、四十メートル以上はあっただろう。鉄骨の広告塔や大木が根こそぎ倒れたり、へし折られたり。ベトナム戦争で見た猛砲撃の後みたいな風景が現出した。不思議なのは樹齢五十年を超えるような大木の根がすごく浅かったこと。この国のインフラのもろさを象徴するようだった。(水)

ハロハロ