ハロハロ
[ 480字|2006.7.3|社会 (society)|ハロハロ ]
それにしても日本はいつから、こんなサッカー王国になったのだろう。ワールドカップの日本の試合結果を一般紙までが一面トップで報じた。スポーツ面は二ページぶっつぶし、カラーで他国同士の試合を詳報する。NHKの実況中継も身びいきがひどかったと、メディアに辛口の友人が言う。すべて過熱気味である。
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あれは一九九四年だったか、大阪ロータリークラブで、松下電器の出向役員が当時のJリーグ事情、特に大阪チームについて話した講演を聞いたことがある。観衆動員が思うにまかせず資金繰りが大変だと、しけた話ばかりだった。それが十年ほどで様変わりである。しかしサッカーにはずっとなじめないでいる。
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パリにいた七〇年代の後半、市内最大の競技場、パルクプランスのすぐ脇に住んでいた。白熱した試合の日は、アパートが振動する感覚に襲われ、観衆の熱狂のすさまじさを知った。だが四年半の駐在期間中、一度も競技場に足を運ぶ気にはならなかった。退屈なボクシングを見るようなゲームが結構多い。攻守の交代がないのも呼吸が合わない。野球という米国式ゲームに慣れてしまったせいかもしれない。(紀)