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11月14日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 467字|2005.11.14|社会 (society)|ハロハロ ]

 フィリピンの人たちは「日本人」をどんな人種と感じているのだろう。小銭を落としてくれる気のいい金持ちか。工場建設などで最低賃金ながらも仕事をくれる救世主か。税金や寄付金を元手に支援してくれる慈善家か。太平洋戦争で比人百万人を死に至らしめた元侵略者か。それとも二心なく信頼できる隣人か。

 先日、比有名俳優と女優が日本入国を拒否され比へ送り返された。送還直後に出演したラジオ番組で、女優は「日本の入管職員は英語を理解せず、説明すらなく容疑者にされた」とまくし立て、男性コメンテーターは「そうだ。それが日本人のやり方だ。ケンペイタイだ」と火に油を注ぐような相づちを打っていた。

 コメンテーターは恐らく、旧日本軍の行った比人ゲリラ狩りを想起し、国民の心の奥底にある戦争の傷や反日感情を触ろうとしたのだろう。彼の感じたことが比人共通の感情かどうかは分からない。ただ、多くの在留邦人が「寛容で心優しい」と感じる比人の心の機微は、このような事件を契機にふっとわき出ると思う。 (酒)

ハロハロ