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6月6日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 578字|2005.6.6|社会 (society)|ハロハロ ]

 駐比フランス大使が「いらっしゃいませ」と声をかけた。日本びいきの女性大使だ。「マニラにフランスの春を」という例年の友好行事の幕開けPRパーティーでのこと。脂の乗り切った女性シャンソン歌手のリサイタルを皮切りに、古典音楽、ジャズ、大道芸、写真展、刺しゅう展まで盛りだくさん。西欧文化の中心だけあると感心した。

 驚いたのはスポンサー企業の多さ。比の大手企業が名を連ねている。日系企業も一社入っていた。女性大使も寄付集めに貢献しただろうなと想像した。

 それにつけても「日比友好祭」はじめ日本の文化交流努力はフィリピン人の間であまり評判にならない。東京から一流芸能人を呼ばないし、歌舞伎も相撲もマニラに来る気はなさそうだ。日本文化センターは警備の厳しい大使館のへいの中。人込みはビザ・セクションだけ。

 フランスはこの国に縁が深いとはいえない。仏国情への理解も低いだろう。しかし自国文化の普遍性に絶対の自信があるから、誤解を恐れず大道芸術家も招く。

 三年ぶりで開かれ、日本大使も顔をみせた三月の盆踊り大会を思い出した。日本人もなかなか読めない「ソウモウクッキ」という幕末志士のスローガンがのぼりに漢字で大書され、あたかも政府転覆をあおるかのよう。意味を教えると、比人の友人が顔をしかめた。 (水)

ハロハロ