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5月23日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 496字|2005.5.23|社会 (society)|ハロハロ ]

 今年の五月は暑い。「いつまで続くのか」とうんざりする。その盛夏を火炎樹の花が彩る。青空に映える朱色の花を見上げていて、ふと気づいた。「よくぶつからないものだ」と感心するほど飛び交っていたツバメの姿がほとんどない。この国で見るツバメの多くは四月ごろ、生まれ故郷の日本に戻るのだそうだ。日本のどの辺りに巣をつくっているのだろうか。

 首都圏の南にあるマキリン山のふもとに居を定めて一年。自然の移り変わりを間近に見て、その着実さに驚かされる。ツバメを見かけなくなったのと符節を合わせるようにして、セミが鳴き出した。いま、庭にある水盤でオタマジャクシが泳ぐ。日本で秋の季語になっている「いわし雲」が列状に広がる。日本の春と夏、秋が同居している格好だ。

 先日の夕刻、台所の電灯に、地元で「ガムカモ」と呼ぶ羽虫がむらがった。辞書には「蛾(ガ)」とあるが、むしろ「羽アリ」に近い。ガムカモの襲来は雨期の始まりという。五月が雨期入りのはずのマキリンに、いまのところその兆しはない。だが、自然界が大きく狂うことはないはずで、酷暑の首都圏にもガムガモがやって来るのは間近いのではないか。(濱)

ハロハロ