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4月18日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 438字|2005.4.18|社会 (society)|ハロハロ ]

 先日、比人の知人がある役所に許可申請に出向いたところ、担当役人から「手数料総額は八千ペソ」と言われた。「高すぎる」と役所を出ようとしたところ、高校時代に同級生だった別の役人にばったり出会った。事情を話すと同級生は「おれに任せておけ」。手数料は一気に約千五百ペソまで値下がりしたという。

 「貧すれば鈍する」という。辞書には「貧乏になると頭の働きが鈍くなる、また品性がさもしくなる」とある。国としての品性を保つため、政府は税率引き上げなどで歳入増を図ろうとしている。しかし、予算の八割強が借金返済など義務的経費に消える窮乏状態から脱出、そして借金踏み倒し宣言回避への道は険しい。

 国が金欠状態なら公務員も貧する。「食」にうるさいお国柄。公僕といえども腹をすかした妻子に「清貧たれ」とは言えず、何とかして「自活の道」を探る。かくして税金や手数料は穴あきホースから漏れる水のように地面を広く薄く潤し、国庫は枯れる。素人目にも分かる悪循環が国の将来を暗くしている。 (酒)

ハロハロ