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3月14日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 461字|2005.3.14|社会 (society)|ハロハロ ]

 比芸能人の日本入国制限案が表面化して三カ月。制限に反対する比国内の動きは、国民を巻き込んだ大きなうねりに発展することなく終わろうとしている。業界団体は「イラク人質事件で比人一人の命を救ったのだから、芸能人数万人の生活も守れ」と比政府に迫ったが、人質事件とは違って共感の大波は立たなかった。

     ◇

 日本での就労実態を知らない一般比国民にとって、「ジャパユキ」と呼ばれる芸能人は特殊な存在だ。「若い娘が日本で何か悪いことをして金を稼いだのだろう」。田舎に家を建てる女性たちは、せん望と軽侮混じりの隣人の視線にさらされてきた。好奇の目から逃れるには、就労歴を隠すか古里を離れるしかない。

     ◇

 富裕層の目も冷たい。宗主国的存在の米国から「比芸能人は売春などを強要される人身売買被害者」と指摘され、恥ずかしい思いをしたことだろう。自らの繁栄が、貧困層出身者の外貨送金に少なからず負っている事実を知ってか知らずか、「今後は芸能人ではなく看護師やIT技術者を日本へ送ればいい」(アロヨ大統領)と思っている。(酒)

ハロハロ