ハロハロ
[ 435字|2004.5.3|社会 (society)|ハロハロ ]
一カ月ほど前、現職を含む歴代三人の奈良県知事が県管理のトンネル横に自身の名前入りの看板を掲示している、との報道を目にした。公職選挙法に抵触する恐れがあり、「国庫補助金を受けて建設されたトンネルに個人名を入れるのは問題」「税金の私物化ではないか」などの指摘も出ているという。
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同法は、当選するために公務員がその地位を利用して文書などを掲示することを禁止している。比にも似たような法律はあるが、残念ながら機能していない。街角は「この公共事業は〇〇がやりました」という看板のオンパレード。公金流用疑惑どこ吹く風で、町長から大統領まで「地位を利用した文書掲示」に熱心だ。
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前回大統領選の取材で、「雨漏りの修繕を約束してくれたエストラダ候補に投票する」という有権者に会った。国の大事より屋根修理。有権者の心をつかむためには、小難しい政策論議より名前入り看板が効果的なのだろう。大統領選投票まで残り一週間。雨漏り修繕が公約にならないような日が来ることを切に願う。(酒)