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1月19日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 471字|2004.1.19|社会 (society)|ハロハロ ]

 日本の行政訴訟では、原則は認めながら現実に起きる混乱や公共の利害を考慮して原告の訴えを退ける判決がよくある。既に行われた衆院選の一票の格差などから憲法違反を盾にやり直せ、と訴える例などそうだ。最高裁は、違憲と判断することはあっても、選挙のやり直しは命じない。現実を重視の極めて現実主義的な判断を下す。いわゆる「事情判決」である。

 この国ではそんなことはないらしい。実施直前まで準備された自動集開票のコンピューター購入をめぐって、最高裁は違法と判断、購入契約を無効と断じた。

 マニラ国際空港(NAIA)の第3ターミナル問題もそうだ。オープン直前になって横やりが入り、最高裁は完成したばかりの建物を前にして契約無効というドラスティックな判決を出し、第3ターミナルはいつ開くとも分からぬ運命となった。

 ここまで現実と国家的利益を無視した判決が堂々とまかり通るのは不思議に思える。しかし、言ってみれば当初の契約がいかにでたらめかということに尽きるのではないか。契約に公正さが確保されぬ限り、この種判決は絶えず、混乱は続くだろう。(紀)

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